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なぜ空き家が増えてしまうのか?

以前、日本の空き家の現状についてお話しました。
少子高齢化・人口減少といったその他の社会問題と複雑に絡み合いながら、空き家率が右肩上がりに増えているという事実でしたね。
では、今回は、そもそも「なぜ空き家が増えるのか」について見ていきたいと思います。

この記事の目次
1、日本人の新築至上主義
2、税金
3、相続
4、まとめ

1、日本人の新築至上主義

日本人の不動産に対する考え方は、欧米とは逆と言えます。というのは、日本人は「新築」を好む傾向にありますが、欧米の方では「趣がある中古」を好む傾向にあります。

実際に、先進各国の既存住宅流通シェアを見てみると、フランスで66.4%、アメリカで77.6%、そしてイギリスでは88.8%ですが、日本は36.7%という結果が出ています。
他国と比較してみると、日本人は新築が好きなんだなあ、と改めてわかります。
日本家屋は「木造作り」です。これは木造であるため、耐久年数がそもそもそんなに長くなく、「買い替えるもの」という考えが根付いています。
木造作りは、日本特有の湿気が多く、地震や台風が頻発する気候には、適しているからです。また、日本家屋は、もともと敢えて壊しやすい作りにしていました。なぜなら、現在よりも木造家屋が立ちならんでいた昔は、一度1軒に火がつくと瞬く間に火事が広がってしまいます。そこで火が燃え移っていない家を壊して火事の広まりを食い止めていたのです。江戸時代の火消したちが代表的です!

一方で、欧米諸国は「石造作り」です。「ずっと存在し改良し使い続けるもの」という考えが根付いています。

確かに、不動産会社が不動産の価値を測る「査定」においても、日本は年数が経つに連れて価値が下がっていきます。しかし、欧米では年数は特別、勘定科目にありません!
日本人の新築至上主義は、日本と欧米の歴史や風土、そこに根付いた潜在的な意識と関係があると思いませんか。

2、税金

次に、税金という国の政策的な要因があります。
住宅がないただの空き地では固定資産税が最大4.2倍に増えてしまいます。
更地で持っているより、建物がある状態のほうが税金が安い!ということです。
さらに、解体のために費用がかかるとすると、建物を残しておきますよね?
つまり、空き家であっても建物を残しておいた方が、更地にするよりも固定資産税が軽減されるという仕組みになっていることがあります。

これは固定資産税の住宅用地特例といわれる制度です。
1973年の高度経済成長期に農地等を宅地へという動きを推進するために制定されました。
古いですねー笑

さらに、古い空き家では、現状の建築基準法施行以前に建てられ、再建築が認められない土地になっているケースがあります。再建築できないのですから、解体してしまうと宅地としての用を足さず、放置するしかなくなっている空き家が存在します。つまり、お金を出して解体しても宅地として使用できないんですね。
それは放置してしまいます。

しかし、2015年の空き家特別措置法の改定により、税制改正が行われました。特定空き家(危険な空き家と判断されたもの)は、通常の空き地と同じ税制を貸すというものです。つまり、誰も住んでいない家を放置して、特定空き家と判断された場合には、税制の優遇はなくなるということです。

この判断は地方自治体が行います。

3、相続


民族的な要因、政策レベルでの要因と大きなくくりで、空き家の増加と関係がありました。一方で、相続という個人レベルでの要因も

a、相続人がわからない
b、相続人が複数いる
c、相続人が手入れをしていない

aとbについては、持ち主がわからない

という理由です。これは空き家を相続していても登記の書き換えを行っていなかったり、登記の所有者と前所有者からの所有者は異なったり、ということが考えられます。
実際に私の実家(栃木県)では、空き家がありました。通学路に点々とあり、誰がもっているのだろう、と子供ながらに不思議に思うような空き家がありました。窓ガラスは割れ、その間からはほこりでいっぱいの畳?らしきものが見えました。

cについては、多いのは、「実家」です。
相続したけれど、放置してしまうというケースです。
仕事や家族の関係で、中々実家の手入れをすることが難しい。
だけれども、思い出が詰まっている実家を整理することも難しい。

という現状があります。

例えば、あの長嶋茂雄終身名誉監督のご実家は、まさに空き家です。しかも、危険空き家です。誰も手入れする人がいなくなり、雑草は荒れ放題で、異臭や一部倒壊のおそれがあるほどです。
今回の長嶋さんのご実家は、親族の間で誰も手入れする人がいなくなってしまったcのケースがあてはまると思います。

4、まとめ

空き家が増える要因をざっくり説明しました。空き家が増える理由は、日本人という民族的風土から税金という国の法律要因、そして相続という個人的な関係まで様々な要因が絡み合っていることがわかりました。

また少子高齢化・人口減少といった他の社会問題とも複雑に関係しているのが、空き家問題です。これらのどれかでも解決のきっかけになれば、他の社会課題への足がかりなるのではないでしょうか。

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